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ノベルNo.1「10(第十九回)」

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「どこが・・・」

「それが・・・検査が終わる頃にはほとんどの臓器が・・・。」

「!!」

「どういうわけか、10分に一度のペースで癌細胞が増殖していきます。」

「!!!!」

癌の告知を受けたことよりもさらに衝撃的な一言だった。
もう自分とは無縁と思っていたのに、
なんら行動とは関係がなかったはずなのに・・・。
しかし、本人の意識とは関係無く、体には完全に
“10分”が刻まれていた。
振り返ってみれば、思い当たるフシがあった。
それは、“10分”の現象が起きないことで、完全に精神状態が
不安定だった時から、キヨミに救われ落ち着いてきた頃だった。
妙に咳が出たり、小さな怪我をしたり、すぐ快復したりと、
体に異変が起きていたことだった。
そして、今回癌が発症し、一気に私の体を蝕んでいったのであった。

「残念ながら・・・」

「ウワァーーーグスッグスッ!」

キヨミは僕の体にグっと抱きついてきた。

「残念ながら、今夜が・・・。」

「そうですか・・・」
せっかくこれから。という時に凄く悲しい・・・。
という感情は表向きには出てきたが、なぜだか、
この結果は素直に受け止められた。

「キヨミ、キヨミ!」

キヨミはもうあけられないくらいに腫れ上がった瞼を
懸命に開いて、僕の方を見た。
だけど、いつも明るい声はもう聞けそうに無い。
プロフィール

アキヒサナウ

Author:アキヒサナウ
かっこよくはなれません。

が、かっこつけます。

が、かっこつけたら、

ふざけます。

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