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ノベルNo.1「10(第十三回)」

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15:20 問診に看護婦が来る

「はい、問診は以上よ。ところで、彼女さんは?」

「知りません。そんな質問、問診にありませんよね。」

「あら、なんだかふてくされてるようだけど何かあったの?
そんなに刺されたことで、傷ついたことがあったようには見えないん
だけどね~。」

割と年配の看護婦だった。
長年の勘というやつか、私が刺された事にショックを受けている様子ではない
というのが、顔を見てそう伺うらしい。
また、私に風を吹きかけるのか?

「今日さ、何曜日か知ってる?」

そういえば、10分という時間ばかり気にして
確認していなかった。私は看護婦の意見を素直に聞いたと
思われるのが嫌だったので、ニラミつけるように病室内の
時計に目をやった。

「月曜日よ」

「・・・」

残念ながら、曜日・日付が書いてある時計では無かった。
おそらく、看護婦は行動を察したのであろう。

「あなたがここに運ばれてきたのは、金曜日。」

金曜日に刺された事は覚えている。

「そして、術後からあなたはさっきまで寝ていたのよ。
彼女いつ来たと思う?」

「・・・」

「当日の23時よ。もちろん、そんな時間に
病院に入れるわけには行かないから、当直の医師が丁重にお断りしたわ。
でもね、あの娘じゃあ、翌朝あくまで入り口で座って待ってるって・・・。
当直の医師もさすがに、ずっと泣きじゃくる彼女を見て、何度も同情を
掛けそうになったけど。一応、病院側としての信用もあるので、結局
朝まで待ってもらったんだけどね。」

(バキッ!)

何かが壊れる音がした。
しかし、どうやら物理的な音ではない。
看護婦も何かに気付いた様子は無い。
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アキヒサナウ

Author:アキヒサナウ
かっこよくはなれません。

が、かっこつけます。

が、かっこつけたら、

ふざけます。

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