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ノベルNo.1「10(第十二回)」

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一分一秒時間が進むたびに、
何が起こるか分からない。
これまでように穏やかな海を航海出来ない。
人間としては、自分の舟を自分で漕ぐのは当たり前のこと。
時に帆を広げて、外部の力を借りる事だってあるが、
その帆の大きさだって、その人自身で決めていく。
しかし、私の船はあまりに大きく作られていた、
私が動かさなくても勝手に
動いてくれる船だと思っていた。

そんな自分でも構造を理解出来ていない大きな船を
これからは自分で漕がなければならないなんて。
どの道を行けば、穏やかかも分からない・・・怖い。
進むのが・・・怖い。
いっそ、このまま錨を下ろしてしまいたい。

当たり前だった事が、
当たり前ではなくなった事という事実は
あっという間に私の精神を蝕んでいった。
そんな私を呆れながらも必死で励まそうとしている。
キヨミが・・・憎い!
そして、当然の如くでた言葉は

「お前はいつも楽しそうでいいな!!
どうせ小さい悩みしかないんだろうな!!」

「!!」

「俺みたいな陰気なやつと付き合ってれば!
周りから評価が得られると思ってたんだろ!
俺はそんなに口うるさくないから、
どうせお前のペースで
上手く振り回せると思ったんだろ!!
本当は、とっくに、違う彼・・・!」

(パンッ!!!)

14:58 キヨミは無言で病室を飛び出していった。

別にひきとめようとも、
悪い事を言ったとも思わなかった。
というより、もうどうでもよかった。
自分で船の漕ぎ方知らない私は、
一生懸命自分で漕いでいる人間が憎かった。
ましては、帆の張り方も分からない私に向かって、
一生懸命風を吹かせるなんて。
プロフィール

アキヒサナウ

Author:アキヒサナウ
かっこよくはなれません。

が、かっこつけます。

が、かっこつけたら、

ふざけます。

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