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ノベルNo.1「10(第十回)」

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私にとって、10分で何かが起こるというのは、
至極当たり前のこと。気にしていないつもりであったが、
どこかで、この不可思議な現象に寄りかかっていたのかも知れない。
何か起きても「10分間だったら・・・」や「10分後には・・・」と、
我慢するという時間が限られていた。
もしかしたら10分後には最悪の事が起きるのかも知れないが
これまでは不思議と何も起きなかった。そして、これからも確実に
平坦であるはずだった。“10分間”という船は周りがどんなに荒れても
私を確実に穏やかな方向へ運んでくれていた。

「・・・ウケるよね?!(目の前で手をパタパタ)聞いてる?
あ、もうすぐこの点滴終わるね♪あ、看護婦さーん!」

14:43 点滴が終了

「体の具合はどうですか?まあ、夕飯まで
まだ時間はありますけど、しっかり食べられるといいですね♪」

「・・・」

「おーい!サトシィ!さっきからちゃんと聞いてる?
ちゃんと話を聞かないとぉ!私がナースになって、
麻酔効かせちゃうぞ~!!」

点滴の終わりも、なんていうことはない時間。
10分毎に行動を起こそうとするが、あまりにも意識しすぎるのか
秒単位でずれている。そもそも10分間の行動の意図が全然見えない。

「てか、ちょっと私のナース姿とかどう?
いつの時代でもナース服ってやっぱり♪
・・って、何考えてんの~!たいへ~ん!
へんた~い!」

駄目だ・・・全然キヨミの声が耳までしか入らない。
心まで届いてこない・・・。
一体、今起こっている10分毎に何が起こっているんだろう・・・。
すると、彼女がりんごを剥き始めた。
プロフィール

アキヒサナウ

Author:アキヒサナウ
かっこよくはなれません。

が、かっこつけます。

が、かっこつけたら、

ふざけます。

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