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ノベルNo.1「10(第九回)」

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次に瞼が開いた時には、
見慣れない殺風景な天井を背景にしたキヨミが居た。
夢?!・・・そうか、ここは病院か。

「たす・・かったんだ・・・。」

「お、目が覚めたようですね。出血は少し多かったのですが、
幸い命に別状の無い状態でしたよ。ただ、思ったより、
目が覚めるのが遅いようでしたので、少々心配しておりました。
もう少し意識が回復したら、早速検査してみましょう。
問題なければ、すぐ退院できますからね。それにしても、
銀行強盗に会い、本当に刺されてしま・・・・」

「ア!!そうだ!今何分?!」

私は担当医の話を半分に聞いていたが、刺された話が出た瞬間
声を荒げた!

「え?14:38ですが・・・。これは目覚めてすぐに気に障る事を
言ってしまったようですね・・・。失礼しました。では、また
のちほど。(あ、君念のため心的外傷も残っているかもしれないので
精神科医の安藤くんにも話を通しておいてくれ。)」

「14:38・・・」

「どうしたのサトシ?あ、そうそう!そういえば、この前
チカコがさ~・・・」

キヨミも私が刺された事に、ショックを受けていると思っているのだろう、
いつもとなんら変わりない屈託の無い笑顔で、“キズ”に触れないよう、
言葉を選びながら明るく励ましてくれる。
それでも、私の本当に“キズ”には届かない・・・。
私の“キズ”は、刺された後に付けられた。

10分間で行動・現象が起きなかったこと。

もちろん、他人にはなぜこの事が“キズ”になっているかなど
理解出来ない。恐らく、この後、診断を受けるであろう。
精神科医でも・・・例えその精神科医がカンノくんであったとしても・・・
キヨミでも・・・。
プロフィール

アキヒサナウ

Author:アキヒサナウ
かっこよくはなれません。

が、かっこつけます。

が、かっこつけたら、

ふざけます。

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