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ノベルNo.1「10(第六回)」

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(10分後)

「何も変わらないかな?」

(・・・30分後)

「おーい!大丈夫ぅ~?!って、喋っちゃだめ何だけどね!
ちょっと外行って来るね!10分以内に戻るから」

(40分後)

カンノくんは戻ってこない。

(50分後)

・・・おかしい

(・・・80分後)

どれだけ時間が過ぎたのだろう。
カンノくんが出掛けると言ってから大分時間が経っている。

(90分後)

さすがに「遅い」「辛い」「尿意」「焦燥感」から体を
動かさずにはいられずとにかく暴れた。

(・・・150分後)

大分息苦しくなり、体の力も抜けてきた。
俺・・・まさか、このまま・・・。

(バタン!!!)

ん?カンノくん?
私のロープと布が手荒く剥ぎ取られていく。
と、同時に聞こえてきたのは、女性の声だった。
カンノくんの母親だ。
カンノくんが居ないのに、部屋で物音がすることに不振を
感じた母親がドキドキしながら様子を見に来たのだった。
相当不安だったのか、床にはすりこぎ棒が転がっていた。
そして、私は何をしていたか、これといった説明が出来ず。
あたかも私がカンノくんを誑かしたかのように、罵声を浴びて
家に帰された。

そして、カンノくんは、何も出来ない状態で30分間に何も
起こらなかった結果に納得したせいか、母親に説得されたの分からないが、
二度と私に近づくことは無くなった。

あとから聞いた話だが、カンノくんは、ただジュースを買いに
行っただけなのだが、途中で学校の不良に絡まれてしまったらしい。

カンノくんはあの実験で私は何も行動していないと思っているが、
私からすれば確実に10分毎に起きている変化があった。
それは、私が起こす行動ではなく、
“カンノくんが私に話しかけるという事”

私の周りに起こる“現象”の方だ。
彼はあまりにも私の近くに居すぎて“行動”ばかりに
捕らわれ、自身が“現象”を助長していることに
気付いていなかった。
そして、彼が居なくなって、母親が気付くまでの間は
10分間隔か定かではないが、
少し声を出したり、窓からの風で体に毛布が少し掛かったり、
放屁したり、となんらかの行動と現象があった。
しかし、その時はまだ微かな変化に気付くことは無かった。
プロフィール

アキヒサナウ

Author:アキヒサナウ
かっこよくはなれません。

が、かっこつけます。

が、かっこつけたら、

ふざけます。

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