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ノベルNo.1「10(第四回)」

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中学生の頃になり、多感な時期になると、
いろんな知識や興味を持った人間が育成されてくる。

いつも休み時間ずっと机に座り探偵モノ・推理モノの小説を
読んでいるカンノくん。本の世界に入りこんでいるようなのだが、
なんだか視線を感じる気がするので、ふと目をやると、
カンノくんの視線は私ではなく、時計を見ていた。
休憩時間終了を気にしながら読んでいるのか、
私が視線を送ったから、視線を逸らしたのかは分からない。
が、すぐにそれは明らかになった。

答えは、「私が視線を送ったから、時間を気にした。」だった。
夏休みが近くなったある日彼は私に

「ナガイシくん、君にとっても興味があるんだけど。」

「え?」

中学生の私には同性として衝撃的な一言だった。。

「ナガイシくん、君の事を何日も見ていたんだけど、
すごく不思議な行動をしてない?」

「べ、別に何も・・・」

カンノくんの方が確実に不思議な発言をしていると思った。

「10分・・・目を閉じてみて・・な」

「ちょ!10分も目を閉じろって何?怖いんだけど?!」

「最後まで話を聞いてよ。10分というキーワードに
なにか心当たりが無い?」

「い・・・え?!」

気にしないようにしてきたキーワードだった。

「これまでそんなに喋った事もないし、友人としても近くで見る時間は
少ないから確信は持てないけど、なんだか、君は必ず10分間に一回
アクションが起きてる気がするんだ。君の周りに起きる現象もなぜか
君の周期に合わせるように、10分毎になにかが起きている。
例えば、休憩時間君が教室に居るときは、本を見るフリしてじっと
見ていたんだけど・・・」

(やっぱり見てたのか・・・)

「僕が見ている事に気付いて、必ず僕の方向を見るのが
僕が見てから10分なんだ!」

「まじ?!じゃあ、確認の為に時計を?」

「そういうことなんだよ。僕は授業中はしっかり授業を
受けたいので、あまり確信が持てるような行動は見受けられなかったけど、
他にも給食や、登下校なんかでも、思い当たる節はあったんだよ。
そこで、そろそろ夏休みだから、ナガイシくんさえよければ、
ちょっと研究させてくれないかな?」

「研究・・・?」

本人が気にしないようにしてきたことをズバズバと・・・。
吐きそうな程不快になったが、不思議と憤りは感じなかった。
特にきにしなかった事だが、確実に興味を感じている自分が
いるのが確かだった。
それ程友人も多い方ではないし、これといって、
予定も無かったので、表情は嫌気を装いつつ、
研究を承諾することにした。
「変な事するなよ・・・。」

「ありがとう!でも男性としては興味無いよ。」

「・・・」

それにしてもカンノくんって、凄くおしゃべりだったんだな。
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アキヒサナウ

Author:アキヒサナウ
かっこよくはなれません。

が、かっこつけます。

が、かっこつけたら、

ふざけます。

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