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ノベルNo.1「10(第三回)」

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突然片言の日本語をヘタクソに話す
2人組の男が入ってきた。
そして扉のすぐ目の前にいたせいか、
体が少し華奢なせいか分からないが、
私はあっという間に人質に捕られてしまった。
顔を隠すためのマスクは、
入店とほぼ同時に被ったせいか、
いまだに少し手で直している。

これまで、何も変わった事が無かった私にとって、
最大の波かも知れない、しかも谷方向の。
こんな人生の中で衝撃的な事が起きているにも、
関わらず、なぜか、少し落ち着いていられた。
いや、多少の焦りは感じていたのかも知れない。
自分の人生は、確かに平坦であったが、
確実に人とは違う部分があった。
それは、あまりにも極当たり前の事で、
28年経った今では、
特に気にすることもないような事であった。

私のこれまでの人生は必ず10分区切りで
行動・現象に変化が起きるという事だ。

もちろん、
自覚を持ったのは、“時計”というものが
分かるようになってからだった。

初めて気付いたのは、
小学校一年生の給食の時間。
私の学校では給食開始の時間は12:00だったのだが、
準備であったり、おしゃべりしたりとで、
必ず食事を口にするのは、12:10
そして、食べ終わるのは必ず12:20.
それから、10分毎に様々な
行動や現象を体験したが、
時計さえ気にしなければ、
特に何か変わったことも無く
普通の生活が過ごせたので、
気にしない事にしたのだ。
プロフィール

アキヒサナウ

Author:アキヒサナウ
かっこよくはなれません。

が、かっこつけます。

が、かっこつけたら、

ふざけます。

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